告白 1&2‐synchronize love‐

「…来るなら、俺が答える必要ないんじゃない」


ハルカさんの淡々とした声に、あたしはぐっと押し黙る。

その通りだから。

今日ハルカさんに訊かなくても、誕生日には恭一がすべて、話してくれるはずだ。


「ねぇ。写メ一枚撮ってもいい?」

「…はい?」


ハルカさんは携帯電話を出して、急に訊いてきた。

断りもなくレンズをこっちに向けてくる。


「な、何で急に?」

「似合ってるから、その着物。見せてやろうと思って」


誰に?

何て尋ねる間もなく、ハルカさんは写メを取り、画像を確認して電話をポケットに戻した。


「じゃ」


愛想なく言って、また背を向けて境内の方へ歩いていく。

ハルカさんの行動は、毎回あたしには意味不明だ。

背中を見送っていると、彼は歩きながら振り返った。


「あのおみくじ、当たってると思うよ」


木の枝に結んだくじを指してそう言い、彼は視界から消えていった。


『待ち人来ず』のことを言ってる?


最後に嫌な予言を残してくれる。

あたしはどっと疲れて、振袖じゃなかったらその場にへたり込みたかった。






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