告白 1&2‐synchronize love‐
「えっ。京都から帰ってくるの、まだ先じゃなかったっけ?」
『向こうに飽きちゃったから、一人で先に帰ってきた』
三上くんは普段通りの落ち着いた声で言った。
それはつまり、他の家族はまだ京都ってこと?
止められなかったのかな、家族に。
『あ、間違えた。グランパとクインと一緒だった』
「ふぅん?」
『それで、そのグランパと今、酒井さんちの前にいるんだけど』
「ふぅん……って、えぇ!?」
びっくりして、携帯電話を落としそうになった。
ベッドの横の窓を開き、外に顔を出す。
すると門の方に、三上くんの頭が見えた。
グランパは見えない。
「ちょっとそこで待ってて!」
あたしは電話を切り、コートを掴んだ。
部屋を出る直前に、ネックレスをしていないことに気付いたけれど。
少し迷って結局、そのままで部屋を後にした。