告白 1&2‐synchronize love‐
スニーカーを引っ掛けて外へ出ると、門の前に三上くんが立っていて、その横にグランパがちょこんと座っていた。
「明けましておめでとう」
「あ、うん。おめでとう」
「これ、お土産の八ツ橋」
紙袋を差し出され、あたしはありがたく受け取った。
八ツ橋は家族全員大好きだから、しかめっ面のお父さんも喜ぶだろうな。
「ありがとう。急でびっくりしたよ」
「うん。酒井さんに会いたくなって」
涼しい顔のまま、優等生がそんなことを言うので、あたしは目を丸くした。
京都で頭でも打ったんじゃないかと心配になる。
三上くんが平然とクサいことを言う人だとは、もうさすがにわかっていたけれど。
会いたいとか、そういう彼の願望や要求みたいなことを言われたのは、はじめてのような気がする。
「あ…。えっと、寒いし、上がって?」
お父さんはもう正月休みが終わって、仕事に行っているから大丈夫だ。
部屋も綺麗だし。
でも、チケットはしまってこなかったな。