告白 1&2‐synchronize love‐


スニーカーを引っ掛けて外へ出ると、門の前に三上くんが立っていて、その横にグランパがちょこんと座っていた。


「明けましておめでとう」

「あ、うん。おめでとう」

「これ、お土産の八ツ橋」


紙袋を差し出され、あたしはありがたく受け取った。

八ツ橋は家族全員大好きだから、しかめっ面のお父さんも喜ぶだろうな。


「ありがとう。急でびっくりしたよ」

「うん。酒井さんに会いたくなって」


涼しい顔のまま、優等生がそんなことを言うので、あたしは目を丸くした。

京都で頭でも打ったんじゃないかと心配になる。

三上くんが平然とクサいことを言う人だとは、もうさすがにわかっていたけれど。

会いたいとか、そういう彼の願望や要求みたいなことを言われたのは、はじめてのような気がする。


「あ…。えっと、寒いし、上がって?」


お父さんはもう正月休みが終わって、仕事に行っているから大丈夫だ。

部屋も綺麗だし。


でも、チケットはしまってこなかったな。

< 410 / 790 >

この作品をシェア

pagetop