告白 1&2‐synchronize love‐


なんてことを考えていたら、三上くんはあっさりと首を横に振った。


「急に来ちゃったからね。遠慮させてもらうよ。今日はグランパもいるし」

「そう…? あ、じゃあ、あたしも一緒に散歩していい?」

「もちろん」

「これ、置いてくるから待ってて」


あたしは家の中に戻り、靴箱の上にもらった紙袋を置いた。

玄関からリビングにいるお母さんに声をかけて、また外に出る。


「お待たせ」


グランパの頭をわしわしと撫でると、不意に顔の前に黒い手袋が。

あたしがプレゼントした手袋を、また片方貸してくれるらしい。


「ありがとう」

「うん。リード持つ?」

「持つ持つ」


赤いリードを受け取る。

前みたいに急に引っ張られてバランスを崩さないよう、注意した。

でも結局、あたし手の上に、三上くんの手が重なって二人でリードを持つ形になる。


そして三上くんに促されるように、あたしとグランパは歩き出した。

< 411 / 790 >

この作品をシェア

pagetop