告白 1&2‐synchronize love‐
「コータ先輩は別格なのにさァ。ちょっとキレーだからって、マジ調子こいてるよね」
「なんつーの? 女王気取り?」
「そんなカンジー。マジお高いよねー」
女王を気取った覚えなんてない。
でも北川先輩っていう人には心当たりがある。
夏休み前に告白してきた、サッカー部の二年生だったはず。
コータ先輩まではいかないけれど、そこそこ人気があるらしいことを、ユリから後で聞かされて、不思議だった。
だってその人、歯に青海苔ついてたし。
ついでに鼻毛も一本出ていて、あたしはその時からかわれているとしか思えなかった。
北川先輩の顔を思い出し、ため息を一つついてから、よく見ると『コータLOVE』と落書きされていた、個室の扉を開けた。
鏡越しに、髪を直しながらしゃべっていた女子四人と目が合う。
全員違うクラスの生徒だ。
彼女らは一瞬、ヤバいという表情になって、顔を見合わせた。