告白 1&2‐synchronize love‐
あたしは聞こえなかったフリをして、彼女らの横で手を洗う。
こういう時、何か反論したとしてもどうにもならない。
火に油をそそぐようなものだ。
「……かなり遊んでるんだって」
沈黙の時は短かった。
誰かがぼそりとそう言ったのを皮きりに、女子たちは小声で話しはじめる。
「男が何人かいるらしいよ」
「門のとこによくいる金髪の人が、アシなんだって」
「コータ先輩も騙されたんだよきっと」
好き勝手に言って、彼女たちは移動をしだした。
このまま出て行ってくれるかと思ったら、途中ひとりがあたしの足を思いきり踏みつけ、
最後のひとりが濡れた手であたしの肩をドンと押して行った。
女は集まるとコワい。
強く踏みつけられた足の痛みで、自然と目頭が熱くなる。
それをぐっとこらえて、ハンカチで濡れた制服をぬぐってトイレを後にした。