告白 1&2‐synchronize love‐
タオルでくるんでいたクインを放し、彼がこっちを見た。
「酒井さん、大丈夫?」
動けないでいるあたしに手を差し伸べてくれる。
あたしは頷いて、その手を取った。
その時はじめて、自分の体が震えていることに気付いた。
三上くんの顔がわずかに歪む。
「ごめん、恐い思いさせて」
「ううん、平気。お兄さんも、ふざけてやっただけでしょ?」
そう思うことにして、むりやり笑顔を作ってみせると、不意に彼に抱きしめられた。
強く、苦しいくらいに。
三上くんの温もりと香りは、どんな時もあたしを落ち着かせてくれる。
彼はまるで、魔法使いのようだ。
「ごめん」
「…ホントにあたしは、大丈夫だよ?」
「うん。でもごめん」
謝罪の言葉を囁きながら、三上くんはあたしの髪の上にキスをする。
彼の吐息を、耳元で感じた。