告白 1&2‐synchronize love‐
その夜。
自分の部屋で例のチケットを眺めていると、ヒカルから心配のメールが入った。
『何もなかったよ』
そう返して、それからすぐに追加のメールを送った。
『ライブのことも、言えなかった』
情けない自分が嫌になりながら頭を抱えていると、すぐにヒカルからメールが返ってくる。
『大丈夫。美緒の自由なんだから』
焦ることはない。
彼女はそう言ってくれているようだった。
あたしはチケットを片手に、別のメールを打つ。
送るかどうか、一時間迷った末、送信ボタンを押した。
その内容は短い。
『ライブ、行けるかどうか、わからない』
ごめん、とは書かないでおいた。
もちろん送信先は、深田恭一。
いま頃アイツは、何をしているんだろう。
ちゃんとバンドの練習はしているんだろうか。
一体どこで、あたしのメールを見ているんだろうか。
窓のカーテンを開くと、夜空には冴え光る月が浮かんでいた。
しばらく月を眺めながら、メールを待っていたけれど、アイツからの返事が来ることはなかった。