告白 1&2‐synchronize love‐
それから三上くんとの約束の時間までは、とても長く感じた。
ただずっと、自分の部屋のベッドで寝ころんで、天井をぼーっと見上げていたんだけれど。
気持ちが自分でも驚くぐらい、落ち着いているからだろうか。
アイツからの連絡がこない携帯電話。
アイツからもらったライブのチケット。
それらをしまいこんだバッグは開けないまま、ゆっくりと時間は経ち。
外から聞き覚えのあるバイクの排気音が聞こえてきて、あたしはコートとバッグをつかみ、部屋を出た。
「行ってきます」
リビングのお母さんに声をかける。
「あら。そんな短いのはいて、風邪ひくわよ」
「大丈夫。ストッキングはいてるから」
今日はシャドーストライプの入ったグレーのショートパンツをはいていた。
本当はスカートにしたかったけれど、それじゃあバイクに乗れないから。
「気をつけてね」
笑顔のお母さんに見送られて外に出ると、家の門から少し離れたところに、黒いバイクは停まっていた。