告白 1&2‐synchronize love‐

言いながら、赤いメットを勝手にかぶせてくる。

丁寧にバンドまでしてくれた。

長い指が顎に触れるのが、くすぐったかった。


「まあカワイイ! チョー似合ってるゾッ」


また得意のぺ○ちゃん顔をする。

なんでコイツは、こんなに気が抜けるヤツなんだろう…。

落ち込んでいた自分がバカみたいに思えてくるよ。

自分がこれまで耐えてきた色々なことが、すごくちっぽけなものな気がして。


「え。美緒ちゃん?」


深田恭一はあたしの顔をのぞき込んで、たれ目を見開いた。


「ど、どしたの!? あ、メットが気に入らなかったっ?」


オロオロしながら赤いメットを外す。

大きな手が、あたしの頭を優しく撫でる。


「大丈夫よ? まだ交換できるからね!」


何色がよかったの?

あたふたしながら訊いてくる。

ホントにバカだ。

バカだけど、やっぱりコイツみたいなのがいる人間を、嫌いにはなれない。

何年かぶりに泣きながら、そう思った。




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