告白 1&2‐synchronize love‐
家から少し離れたところにある街灯の下で、三上くんはバイクを停めた。
よく、恭一も原チャを停めていた場所。
「…ありがとう」
バイクから降り、あたしはなんとか三上くんに笑いかけられたと思う。
脚が、わずかに震えているのは、寒さのせい。
「酒井さん」
「うん?」
「…お兄さんには、会えなかったの?」
「アイツには…」
あたしは白いため息を吐き、首を横にふる。
「顔は見れた。でも…届かなかった」
「そう」
「付き合ってくれたのに、ごめん」
「キミが謝ることは何もないよ。お兄さんにはまた会えるさ」
バイクにまたがったまま、三上くんのグローブをした手が、あたしの頭を撫でてくれる。
そしてあの静かな目で、じっと見下ろしてきた。
キス、かな。
そう思って、あたしもじっと彼を見つめ返していたけど、三上くんは微かに笑っただけだった。
「今日は楽しかったよ」
「それってあたしのセリフ。今日はありがとう」
「うん。じゃあ」