告白 1&2‐synchronize love‐
ぞわぞわと体中の鳥肌が立った。
気持ちワル!
しかも『美緒ちゃん』?
馴れ馴れしいにもほどがある。
「意味わかんない。ってゆーか気安く呼ばないで」
シルバーアクセで重そうな手を叩き落とし、あたしは男の横をすり抜け走り出した。
ストーカーに構っている暇なんかない。
バイトに遅刻してしまう。
携帯電話を開いて時間を確認しようとしたら、
「美緒ちゃーん! まったねーーっ!」
後ろからそんな明るい声が上がった。
公共道路に響き渡るような大声に、ギョッとして少しだけ振り返ると、ヘラヘラ男がブンブンと子どものように手を振っていた。
ソイツの奇妙な印象だけは強く残った。
それがあたし、酒井美緒と、
ヘラヘラ男、深田恭一の出会い。
いや、再会だった。
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