告白 1&2‐synchronize love‐
「お腹すいたかも」
時刻は夕方。
散々園内を連れまわされて、お腹もすいてたし喉もかわいてた。
この男、20歳にもなるくせに、いちいち檻の前でその動物の真似をしたりして、見ていた子どもに拍手されるくらいで。
あたしも子どもと一緒になって笑うしかなく。
笑い疲れて喉が痛くなっていた。
「俺もへったなぁ。よし、なんか軽く食ってこーか!」
近くにあった園内地図で売店を確認した深田恭一は、なにを思ったか突然あたしの手を掴んできた。
シルバーリングの感触にドキリとする。
「あっちだって。走るぞ美緒ちゃん!」
「は? なんで!?」
有無を言わせない力で引っ張られ、なぜかあたしは売店まで一緒に走ることになった。
あれ……?
走ってる途中、あたしはなにか思い出しかけて、でもそれは一瞬で泡のように消えてしまった。
モヤモヤと、頭の中に霧がかかって…
もう一度思い出そうとしても、できなかった。