告白 1&2‐synchronize love‐

ライブ最後の曲はCHIQUITITA(チキチータ)。

あたしの好きな曲だった。


「あの曲は恭一が作ったんだけど、強い思い入れがあったみたい」


ミッキーさんは肩をすくめて壁に寄りかかる。


「だから約束を破って歌おうとしたナカに、殴りかかった気持ちもちょっとわかっちゃうんだよね」


遠い目で、天井をあおぐミッキーさん。

あたしには、よくわからない。


「ハルカもその辺はわかってるんだよ。でもねぇ、アイツはそれよりデビューに命がけだったから」


キレちゃったんだよね、とミッキーさんが軽く笑った時、

廊下の奥からドレッド頭の人が歩いてきた。

手に白い菓子箱みたいなものを持って。


「お待たせお待たせ。ネックレス、落とし物であるんだけどよくわかんなくてね。この中にある?」


差し出された箱を覗きこむと、中にはネックレス以外にもブレスレットや指輪、ピアスが入っていた。

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