告白 1&2‐synchronize love‐

ドレッドの男性にお礼を言って、3人でライブハウスを出た。

ミッキーさんは今日、昨日の騒ぎの謝罪に改めて来たらしい。

パパノエルの実質的なリーダー役なんだ。


「送ってってあげたいけど、今日は車じゃないんだ」

「大丈夫です。タクシーで帰りますから」


最初からそのつもりだった。

ヒカルも横でウンウンとうなずいている。


「じゃあ大きい通りまで送るよ」


そう言って、ミッキーさんは先に立って歩き出した。

ひょろりとした電柱みたいな後ろ姿。

ぼんやりと彼を見上げてついていくと、途中でヒカルが「あのう」と遠慮がちな声を出した。


「ん? なに?」


ミッキーさんが顔だけこちらに向ける。


「あのですね……なんとか美緒を深田さんに、会わせてあげられませんか?」

「ヒカル……」


ミッキーさんはピタリと立ち止まり、頭に手をやって眉を下げた。


「それはちょっと、難しいかな」

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