告白 1&2‐synchronize love‐
小柄なヒカルが電柱のような彼につめ寄る。
「どうしてですか? 10分でも…5分だけでもダメなんですか?」
「ダメってワケじゃないんだよ。たださっきも言ったけど、ウチの凶暴なベーシストがキレちゃってるからね」
深いため息が彼の口からもれる。
バンドのリーダーも大変らしい。
「ハルカの怒りがいつおさまるかはわかんないからなー。まあ、あの日の様子だと、解放されたら真っ先に美緒ちゃんのトコロに行くんじゃない?」
そう思わない?
ミッキーさんの目が、あたしを見てそう言っている。
あたしは何も言えずに目をそらした。
彼の言う通りだ。
きっと恭一はあたしのところに来る。
そう思うのに、来ないかもしれないという予感も強くするんだ。
だから焦っている。
早くアイツに会わないといけない気がして。
何を恐れているのかは、自分でもよくわかっていないんだけれど。
わからないままで、いた方がいいのかもしれない。