告白 1&2‐synchronize love‐
その大きな総合病院に入ってすぐ、受付のカウンターに飛びついた。
「三上健(けん)という人が今日運ばれてきてるはずなんですけど、どこに行けば…っ」
走ってきたあたしは肩で息をしながら訊いているのに、
応対した女性はイラっとするくらい冷静だった。
事務的な調子で女性が答える。
「救命救急センターの方に運ばれてますね。あちらの廊下から、標識の通りに進んでいただければすぐです」
「どうもっ」
「あ。病院内は走らないでくださいね」
わかってるよそんなこと!
事務的なのは事務員なんだからしょうがないにしても、もうちょっと親身になれないものかな。
不安をそんな風に苛立ちに変えて、他人にぶつけながら救命救急センターに向かう。
変な気分だ。
運ばれたのはお兄さんなのに、
あたしは三上くんが心配で。
心配で心配で、仕方なかった。