告白 1&2‐synchronize love‐
夜間営業もしている動物園を出て、あたしは赤いメットをかぶった。
このまま帰ると思いきや、深田恭一は「ちょっとあの公園寄ってこう」と、動物園に隣接している木にかこまれた公園に原チャを移動させた。
日が落ち始めた公園は人が少なく、遊具はガラガラ。
周りが林みたいになっているから、すでに薄暗くなっていた。
「美緒ちゃんブランコ乗ろうよー」
「だから、あたしは小学生か」
「やだなあ美緒ちゃん…」
「大人もブランコ乗れるのは知ってるってば」
「おお…。なんで俺の言おうとしたことがわかったの? 以心伝心? それともエスパー?」
こいつは人をバカにしてるのか…。
殴りたくなる衝動を抑えこむ。
「エスパー美緒☆ ブランコ乗るぞ~」
「エスパー言うな。…ハイハイ」
2人並んで、ギィギィ言うブランコに乗る。
ここでもやっぱり深田恭一は楽しそうで。
ブランコに乗るのは何年かぶりだったあたしも、なんだか楽しくなった。