告白 1&2‐synchronize love‐
すぐそばに駆け寄っても、三上くんは顔を上げなかった。
膝の上で手を組んで、うつむいている。
少し離れたところで、気合いの入った剃り込みの、悪そうな見た目の男の人たちが数名、固まって何か話していた。
隣りのベンチでは、髪の短いスラリとした女の人が、厚いガラスの向こうを見据えている。
そこでは医者と看護師が、除菌用らしいカーテンの中で動いていた。
あのベッドに、三上くんのお兄さんがいるのか。
ふと女の人がこっちを見たから、一応頭を下げる。
意志の強そうな瞳の彼女も、静かに頭を下げてくれた。
彼女、だろうか。
でも特定の恋人はいないようなこと、前に三上くんが言っていたはず。
その三上くんはまだ、あたしに気づかない。
だからそっと隣に腰かけて、三上くんの手に手を重ねた。
びくりと、彼の肩が揺れる。
「三上くん。大丈夫?」
「……酒井さん」
ようやくこっちを見た三上くんの顔は、驚くほど真っ白だった。