告白 1&2‐synchronize love‐
この人がお兄さんとどういう関係なのかはわからないけど、
病院に駆けつけるくらいには親しい関係なんだろう。
あたしは親しい人の生命の危機に、こんな風に自分をしっかり持ってなどいられるだろうか。
きっと無理だ。
「優。そろそろ貴未子(きみこ)さんも処置が終わる頃だろうから、迎えに行ってくる」
「はい」
「何かあったらすぐ僕の携帯電話に連絡をくれ」
「…はい」
落ち着いた声で言って、お父さんは歩き出した。
それを三上くんが呼び止める。
「父さん。病院で白衣は紛らわしいよ」
「ん? ああ、そうか」
忘れていたと、お父さんは白衣を脱いで今度こそ、この静かすぎる空間を出ていった。
そうか、植物の研究をしてるんだっけ。
仕事場からそのまま駆けつけたのかもしれない。
それにしても、変わったお父さんだ。
本当に親子なんだろうか。