告白 1&2‐synchronize love‐
車が家の前に停まっても、あたしは動けなかった。
ハルカさんがイライラしたように脚を組みかえる。
「いい加減にしてくれない? 俺が泣かせたみたいじゃない」
「坊ちゃんが泣かせたんでしょう」
運転席から低い声。
千堂さんはどこかあきれたように言った。
「ティッシュくらい差し上げたらいかがです。すぐ横にあるでしょう」
「うるさいよ千堂。お前はいつからフェミニストになったんだ」
そう文句を言いながらも、ハルカさんはあたしにティッシュの箱を差し出してくれた。
ありがたく受け取ってびしょびしょに濡れた顔をぬぐう。
少し、落ち着いてきた。
堅く握りしめていた手を開いて、取り戻したネックレスを見下ろす。
これで、よかったんだよね…
自分に言い聞かせて、チェーンを首にかけた。
もう絶対になくさない。
絶対に。