告白 1&2‐synchronize love‐
「夏生(なつお)さんは帰ったよ。『もうアイツは大丈夫だから』って言って」
「夏生さんていうんだ。あたし前、お兄さんの恋人なのかと思って訊いたら、睨まれちゃった」
三上くんは目を細めて笑う。
「兄さんとは幼なじみみたいな関係なんだ」
「ふぅん。カッコイイ女の人だよね」
「うん。お似合いだと思うんだけど、そう言われるのが本人たちは嫌らしい」
座ったら?
そう三上くんにベンチに促されたけど、首を振った。
あまり長居はできない。
「これからバイトなの。もう行かないと」
「そう。わざわざ寄ってくれてありがとう。送れなくてごめん」
「気にしないで。バイトの後も、友だちと寄り道して帰ったりしてるし」
恭一と会う前は、ひとりで帰っていたんだし、あたしは平気だ。
それより、バイトになんか行ってごめん、という気持ちの方がある。