告白 1&2‐synchronize love‐
三上くんがあきれたようにため息をついて、メガネを押し上げる。
「父さんは兄さんと研究と、どっちが心配なの」
「…研究」
「父さん」
「健はしぶといから大丈夫だ。雑草よりたくましい」
「兄さんの容態聞いて、あんなに慌てていたくせに」
やれやれと苦笑して、三上くんはあたしをICUの外へうながした。
お父さんはずっとブツブツ文句を言っていた。
「変わった父親だろ」
ロビーに向かう廊下で、三上くんが呟いた。
同意してもいいものか迷ったから、笑ってごまかす。
学者さんて、みんなあんな感じなのかな。
じゃあ三上くんも将来…。
それはちょっとイヤかも。
「ね。本当に明日から学校に来る?」
「うん。これ以上休むのはちょっとね」
「良かった…」
患者とその家族で溢れるロビーを抜けて、自動ドアから外に出たところで、そっと左手を握られた。
三上くんが真剣な目で、あたしを見下ろしていた。