告白 1&2‐synchronize love‐

前にハルカさんが言っていた。

あたしが恭一を思い出したら、それで終わりになるはずだったって。

恭一は酒井美緒には二度と会わない。

そういう約束だったって。

何で?

留学はもうその時に決まっていたから?

でも、それでどうしてあたしに会わない話になるの?


「意味……わかんないよっ」


恭一の長い腕に体をすっぽりと包まれて、あたしは言った。

優しい匂いがするシャツを握りしめて。

抱きしめてくる腕の力が強くなる。


「ごめん……」

「…やめてよ。何で謝るの? 謝られたって知らないよ。許してなんかやらない」


何を許せばいいのかもわからないじゃないか。

このままコイツの思うようにさせてやるもんか。

あたしは目の前の体にしがみついた。


「逃がさないから! 全部話して! あのライブの日…あたしの誕生日に話そうとしてたこと全部っ!」


じゃないと、ダメになる。

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