告白 1&2‐synchronize love‐
あたしはちょっとびっくりして、ユウナ先輩の顔をまじまじと見る。
「え…まだ付き合ってないの?」
「まだって何よ。付き合えるワケないじゃん」
先輩は小さな唇を尖らせる。
ワケないじゃん、なんて言うけど、学校では大体の生徒が、ユウナ先輩とコータ先輩は付き合ってると思ってるみたいなんだけどな。
昼休みもよく一緒にいるし、仲良しだし。
「じゃあバレンタインに告白すればいいじゃないですか」
「…しない」
「どうして?」
「言ったじゃん。あたし1回フラれてんだよ。いまの関係でもう充分」
少しだけ、さみしそうにユウナ先輩が笑う。
これはコータ先輩からいくしかないんだろうな。
コータ先輩も早くしちゃえばいいのに。
ふたりが両想いだっていうのは、誰の目にも明らかで。
コータ先輩、大切すぎてなかなか言い出せないとか。
だったらいいなと、ユウナ先輩の綺麗な黒髪を見ながら思った。