告白 1&2‐synchronize love‐

「コータ先輩、きっとたくさんチョコもらいますよね。ユウナ先輩はやきもちやかないの?」

「いまさらだよ。中学の時もすごかったし」

「ああ、やっぱり」

「でも先輩、彼女いる時は受け取らなかった。机の中とか靴箱とかのチョコは仕方なく持って帰ってたけど」


それは泣いた女のコも多いだろうな。

でも、そっか。


『俺は好きなコだけに、優しくする男だよ』


前にコータ先輩、そんなこと言ってたっけ。

じゃあきっと今年のバレンタインは、一個しか受け取らないんだろうな。


「がんばってね、先輩」

「うん、美緒もね。…エイジには、あげるの?」

「…あのさ、先輩。パパノエルの曲って、全部エイジが作ってるの?」

「そうだよ。なに急に。あ、でも………」



あたしはアイツのことを何も知らない。

謎は増えていくばかりで、距離はどんどん遠のいていく。


けど…


それも仕方ないんじゃないだろうか。

最近そう思えていた。




< 619 / 790 >

この作品をシェア

pagetop