告白 1&2‐synchronize love‐
ヤバいか?
そんな焦りが生まれた時、
「おいコータ! 遅ェぞ!」
体育館の方に続く廊下から、ひょこりとコータ先輩と同じジャージを着た人が出てきた。
コータ先輩よりもっと背が高く、ガタイも良いコワそうな顔の人。
その人はあたしたちを見て、小さく息を吐く。
「女口説くのなんかいつでも出来るだろーが」
「うるさいな。先行ってろよ」
「さっさとしろよ」
呆れたように言って、彼はあっさりまた廊下の奥に消えて行ってしまう。
「…さて。どうしようか。取りあえず着替えてこようかな」
「はっ?」
「待っててくれる? 酒井さん」
爽やかな笑顔には、つい頷いてしまいそうになる迫力があったけれど、
負けちゃいけないと、先輩の手からチケットを奪って、するりと逃げ出した。
「ちゃんと部活行ってください!」
「あっ、酒井さん! 冗談だってー!」
そんな弁解が聞こえたけれど、あたしは振り返らず、急いで学校を出た。