告白 1&2‐synchronize love‐
靴のかかとを踏んだまま、前庭に飛び出した。
校門まで来てようやく足を止め、後ろを振り返る。
「くそ~。からかわれた…」
さすがに女慣れしてる。
悔しいけど、ちょっとだけドキドキさせられてしまった。
なんだかどっと疲れたな。
映画…どうしよう。
一緒に行ってくれる人を探すのも、面倒に思えてきた。
校門をくぐりながら、先輩から奪い返したチケットにため息を吹きかけた時、
突然曲がり角から腕が伸びてきて、わき道に引きずり込まれた。
何!? 変質者!?
浮かんだその考えにぞっとして、めちゃくちゃに暴れる。
「いやーっ!! 痴漢!! 変態!! 放してよッ」
「ちょっ、シィッ! 美緒ちゃん静かに! 俺だよ、俺っ!」
「俺っ!?」
顔を上げたら、そこにはあのたれ目が待っていた。
キャップなんか目深に被って、紛らわしいにもほどがある。
「………ハァ。何だもう、驚かせないでよ」
ほっと息を吐はく。