告白 1&2‐synchronize love‐

Bitter Sweet

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二月に入ってから、朝のバス通学が楽になった。

コータ先輩たち3年生が自宅学習期間に入って、バスのすし詰め状態が緩和されたんだ。

空席はないけど、でもなんだかさみしい風景だな。


「ねぇ、バレンタインどーするぅ?」

「えー? あげるけどー」


前の席の女子ふたり…たぶん2年生が、大きな声でしゃべりだす。


「つか先輩いないじゃん?」

「家行くし~」

「マジで? 家知ってんの~?」


楽しそうに笑い合う背中を眺めながら、あたしはユウナ先輩を思い出した。

そういえばユウナ先輩、どうやってコータ先輩にチョコ渡すつもりなんだろう。

やっぱり家に行くのかな。

中学からの付き合いなら、家も知ってるんだろうし。

でも……そこまではしたくないだろうな。


彼女はコータ先輩に負い目があるみたいだし。

あまりしつこくはしたくないみたいだし。

告白だってこのままじゃしなそうだし。

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