告白 1&2‐synchronize love‐

一段一段上がっていくごとに、心臓の音が大きく。

何が待っているのか、あたしはわかっているようでわかってない。

自分でも説明のしようがない、期待と不安がマーブル模様をつくってる。

三階に着いて、部屋の表札をひとつひとつ見ながら進む。

そして、


「305……」


目的の部屋の前で立ち止まったけれど。

表札には、




『矢沢』




と書かれていた。

深田じゃない。

それを確認して、ほんの少しだけ肩から力が抜けた。

いろんなパターンを想像してて、その内のいくつかが消えていった。

住所を調べたくらいだから、三上くんはここに誰が住んでいるのか知ってるんだろう。

あたしにも、知ることが必要なんだ。




静かにひとつ深呼吸をして、震える指先でインターフォンのボタンを押した。

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