告白 1&2‐synchronize love‐
こもった電子音が聴こえた。
人差し指を握りこんで、待つ。
でも手に汗をかいてきても、ドアは開かれないし応答もない。
留守なんて、拍子抜けだ。
帰るか、待つか。
「どうしよ……」
待つのはつらくない。
日が落ちるまでは、待ってみようか。
そう思った時、
エレベーターの方から人の声が聴こえてきた。
「アッキー、疲れた?」
「ううん、大丈夫。運動しなさいって言われちゃったし」
「太ったもんなー」
「うるさいよ~」
聞き覚えのある、気が抜けるような喋り方。
楽しそうな笑い声の後、廊下の向こうから見覚えのあるシルエットが現れる。
細身だけどけっこう肩幅があって、ちょっと猫背なその影は…
「恭一……」
影がこっちを向いて、ピタリと立ち止まる。
そして、
十数メートル向こうのたれ目が、見開かれた。