告白 1&2‐synchronize love‐
避けられてるわけじゃない。
ただ、あたしが作った心の壁みたいなものを、彼は敏感に察してくれたんだと思う。
理由は、バレンタインデーのあの出来事。
「あっ。美緒~、北見先輩だよ」
窓から外を見ていたユリが手招きする。
横に並ぶと、友だちと一緒に生徒玄関に向かう先輩の姿が見えた。
「ねぇ美緒。北見先輩ってコータ先輩とどうなってんの?」
「さあ…どうなってんだろね」
「知ってんでしょォ? はぐらかさないでよ~」
「まあ、付き合ってるかどうかは置いといて。上手くはいってるんじゃない?」
あたしの答えに、ユリは思い切り不満そうな顔をする。
そんな顔されても、本当にそこまでしか知らないんだけどな。
詳しく聞こうとは思わない。
二人が幸せそうならそれでいいから。