告白 1&2‐synchronize love‐

ユウナ先輩はバレンタインに、ちゃんとチョコを渡せたらしい。

次の日、あたしにそう報告してくれたんだ。

コータ先輩が部活を終えるのを待って、一緒に帰ったんだって。

それで別れ際に勇気を振り絞ってチョコを渡したら、


「今年は、お前からのしか受け取ってないからって言ったの。……どういう意味だと思う?」


モジモジしながら聞いてくるユウナ先輩が、たまらないくらい可愛くて、あたしは笑ってしまった。


「さあ、どういう意味なんですかね?」


そんな風に意地悪な返し方をしたら、先輩は顔を赤くしてプンプン怒ってた。

二人がくっつくのも、きっと時間の問題だな。

玄関に消えていく先輩の姿を見送って出たため息は、重いものじゃなかった。

こうやって、受け取ってもらえる愛もあれば、



捨てられる愛もある。



あたしはぼんやりと、あのバレンタインデーを思い出した。






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