告白 1&2‐synchronize love‐


平日というのもあって、映画館はそれほど混んではいなかった。

売店のコーナーで、恭一が一人キャッキャとはしゃぐ姿がひどく目立つ。

キャップは被っていても金髪ははみ出しているし、背が高くてスタイルもいいから、どうしたって人目を引くんだ。


「美緒ちゃん、美緒ちゃん! ポップコーンにキャラメルかける!?」

「…いらない」

「じゃあコーラは? M? L?」

「M…ってゆーか何でコーラ限定なワケ?」


商品の見本が飾られたガラスケースにへばりつく20歳…。

それってどうなの?


「恭一。もう中入るよー」

「ちょっと待って~。パンフは? 買わないの?」

「ああもう! 10枚でも20枚でも、好きなだけ買い占めろ!」


あたしは恭一の手からコーラを奪い、先にさっさと指定番号のシアターに入った。

すぐに恭一は後を追ってきて、


「美緒ちゃんはせっかちだなァ」


なんて文句を言いながら、一緒に席を探して座った。

< 67 / 790 >

この作品をシェア

pagetop