告白 1&2‐synchronize love‐
平日というのもあって、映画館はそれほど混んではいなかった。
売店のコーナーで、恭一が一人キャッキャとはしゃぐ姿がひどく目立つ。
キャップは被っていても金髪ははみ出しているし、背が高くてスタイルもいいから、どうしたって人目を引くんだ。
「美緒ちゃん、美緒ちゃん! ポップコーンにキャラメルかける!?」
「…いらない」
「じゃあコーラは? M? L?」
「M…ってゆーか何でコーラ限定なワケ?」
商品の見本が飾られたガラスケースにへばりつく20歳…。
それってどうなの?
「恭一。もう中入るよー」
「ちょっと待って~。パンフは? 買わないの?」
「ああもう! 10枚でも20枚でも、好きなだけ買い占めろ!」
あたしは恭一の手からコーラを奪い、先にさっさと指定番号のシアターに入った。
すぐに恭一は後を追ってきて、
「美緒ちゃんはせっかちだなァ」
なんて文句を言いながら、一緒に席を探して座った。