告白 1&2‐synchronize love‐
――
―――――





廊下の向こうで立ち止まった恭一の唇が、あたしの名前を呼んだ。



『美緒ちゃん』



遠くて声は聴こえなかったけど、確かにアイツはあたしを呼んだ。

呆然とした顔で。


やっぱり、


やっぱりいた。

どうして?

留学は、嘘だったの?

なんで嘘なんかついたの?

どこまでが嘘だったの?




そんなにあたしの前から、消えてしまいたかったの……?





無意識に、足が恭一に向かって動きかけた時、

アイツの後ろからもう一つ、影が出てきた。



「えーちゃん? 何ぼーっと立ってるの?」



それは、背の高い女性だった。

一瞬ハルカさんかと思ったけど、違う。


本物の女の人。


しかもその人のお腹は、大きく膨らんでいた。



< 670 / 790 >

この作品をシェア

pagetop