告白 1&2‐synchronize love‐
あの日が誕生日だった?
けど、深田恭一の誕生日は確か…
『5月6日』
お父さんがそう言ってたはず。
ちゃんと覚えてる。
恭一は一度目をつむって、それからしばらく後、口を開いた。
「俺の自己紹介からしないといけないね。職業は大学生、21歳、血液型はO型、誕生日はクリスマスイヴで、星座はやぎ座。それから……」
恭一はようやく顔を上げて、あのたれ目を真っ直ぐあたしに向けた。
そこにはもう、迷いが見当たらなくて。
ずっとあの目の中で揺れていた、恐れみたいなものも消えていて。
別人に見えた。
「それから…パパノエルってバンドの、ギタリストをしてます」
開け放たれていた隣りの部屋に目を向ける恭一。
視線の先にはギターケース。
あたしは覚悟して、きつく目を閉じ、スカートの裾をギュッと握った。
「俺の名前は………矢沢エイジ」
キミの兄貴じゃ、ないんだ。
目の前の男は消え入りそうな声でそう呟いた。