告白 1&2‐synchronize love‐

頭に手をやって、矢沢エイジは「下手クソでしょ」って笑った。


「あれは恭一が書いた、本物だから。偽物の俺が下手な嘘ついて、なかったことにするなんてできなかったんだよ」


本物……?

あれが、本物の深田恭一からの手紙?

真っ白になりかけた頭で、必死に内容を思い出そうとした。

でも、ダメで。

内容を忘れたわけはもちろんなかったけど、どうしてもあれがそんな重要な手紙だったなんて、思えなかった。

だって、あの手紙には…




「どこにいるの」




あたしはソファーから降りて、矢沢エイジと目線を合わせた。

ここまできたら目の前の男も逃げたりしないだろうけど、もう嘘もごまかしもいらなかったから。


「教えてよ。……直接聞きたいことがたくさんあるの」


どうして最初から本物が来なかったのか。

あの手紙の、途切れていた言葉の続きはなんなのか。

それから…





この茶番の意味は。

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