告白 1&2‐synchronize love‐


密かに気に入っていたたれ目は、あたしの視線を真っ直ぐに受け止めた。

でも、



「それは言えないんだよねぇ」



神妙な顔で言って、わざとらしいため息をつく矢沢エイジ。

それはあたしの知ってる大げさな、『深田恭一のリアクション』だった。


「…言えないって、なに?」

「言えないの。約束だからさァ」

「アンタね…っ! あたしを騙してたこと、悪く思ったりしてないわけ!?」


そう詰め寄ると、矢沢エイジは複雑そうな顔をした。


「…さっき俺が謝ったのはね、美緒ちゃん。嘘をついたことに対してじゃぁないんだよ」

「は……?」

「嘘を嘘だって、美緒ちゃんに気づかせちゃったことを謝ったの」

「どういう、意味?」

「本当ならさ、嘘は嘘じゃないまま終わるはずだったから」


すべてをぶち壊してしまったのは自分だ。

だからキミと恭一に対して謝ったんだ。


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