告白 1&2‐synchronize love‐


矢沢エイジは少しだけ、疲れたみたいにへらっと笑った。

この笑顔は『深田恭一』のものじゃなくて、『矢沢エイジ』の本物だったんだ。


「嘘はいけないことだけど。でも俺、家族の為ならいくらだって嘘つける」

「家族……?」

「うん。俺らは仲間で、家族だから」

「そんなにバンドが大事なの?」


あたしの問いに、矢沢エイジはたれ目を見開いた。


「深田恭一は……パパノエルの元ヴォーカル、キョンキョンなんでしょ?」

「美緒ちゃん…気づいてたの?」


気づいてたんじゃない。

ずっと疑いがあっただけ。

あたしはパパノエルのライブに行った日を思い出した。

あの時、パパノファンに囲まれて三上くんと逃げた時。

ファンは三上くんに向かってこう叫んでた。





『キョンキョン!!』





って。

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