告白 1&2‐synchronize love‐
あたしは笑って、ヒカルの柔らかいほっぺたを軽くつねった。
「いひゃい~…」
「ぷ。かわい」
何でもないよって、あたしはヒカルを安心させるように笑った。
むりやり笑ったわけじゃない。
笑えるから笑ったんだ。
あのバレンタインの日、恋と一緒に心も粉々に砕けてしまったような気がしたけど、そんなことはなくて。
あたしは自分でも不思議なほどすっかり、立ち直っていた。
それはたぶん、まだ終わってないっていう意識があるから。
「ならいいけど。また無理して倒れたりしないでね…?」
「わかってるよ。ありがと」
三上くんにもヒカルにも、まだ『深田恭一』のことは話したくない。
自分の中で整理できてすっきりするまで、あたしの中で留めておきたいんだ。
大丈夫。
あたしはちゃんと目を見開いて、自分の足で立てている。
前みたいに自棄になったりはしないよ、ヒカル。