告白 1&2‐synchronize love‐
コータ先輩はニコニコしながらあたしを見下ろす。
爽やかな笑顔だけど、その心内は読めない。
「…どういう意味でしょう」
「だから男と女じゃなく、オトモダチになればいいと思わない?」
「…はあ?」
「フったのフラれただの、そんなつまんないことで酒井さんが色々言われんの、俺やだし」
「………」
「俺まだキミのこと、好きだし」
あたしはギョッとして先輩と距離を取る。
そのあからさまな態度に先輩は笑った。
「しつこく言い寄ったりはしねーよ? 酒井さんが恋愛したくなるまで待つつもり」
「あの、失礼なこと言うようですけどあたし…」
「ストップ! それ以上は言わなくてもわかってっから大丈夫」
「でも、」
「想うくらい自由でしょ。そんで好きなコ守んのは男の使命ってね」
ニカッと笑うコータ先輩に、あたしは困惑の表情しか返せない。
女に不自由はしなそうなのに、なぜ接点もないあたしなんかに構うのか、わからなかった。