告白 1&2‐synchronize love‐
でもふざけた調子なのは、今日は矢沢エイジだけじゃなくて。
「そうよー。超ラッキーね、恭次! 自慢しちゃいなさい!」
恭子さんまで一緒になってそんなことを言うから、あたしはつい、笑ってしまった。
そんなあたしのスカートのすそを引っ張って、恭次くんがちょっと顔を赤くして聞いてきた。
「美緒ってゆーの?」
「…うん、そうだよ。はじめまして、恭次くん」
「…美緒姉ちゃん」
子どもって、こんなに順応が早いものなのかな。
それとも、恭子さんの子だからなのかな。
屈託のない無邪気な笑顔を向けられて、あたしは本当に胸が潰れるかと思った。
衝動に駆られて、恭次くんを思いきり抱きしめる。
「わっ。美緒姉ちゃん?」
照れてるのか、恭次くんが暴れて離れようとしたけど、あたしは放さなかった。
涙は見せちゃいけないと思ったから。
恭子さんも矢沢エイジも、何も言わずに黙って見ていてくれた。
あたしの心は過去に戻って。
恭兄ちゃんを強く、抱きしめていた。