告白 1&2‐synchronize love‐

あたしはアイツが何かを隠しているから、気になっているだけなんだ。

本当に、ただそれだけのこと。

それ以上のことなんか、あるはずがない。


「でも…あたしは納得できないよ」


ヒカルはちょっと怒ったように言った。

小さな唇が尖っている。

まったくどこまでも抜けてるんだから。

ヒカルが納得してようがいまいが、関係ないでしょうが。

でもそんなことを言ったらきっと、ヒカルは泣いてしまうから、あたしは黙っていた。

彼女はあたしとちがって優しくて、人の痛みを自分の痛みのように感じることができるコで。

そんな彼女が、あたしは愛しいと思う。


「あたしも、納得はしてないかなァ…」

「当たりまえだよ!」


怒っていいよと言うヒカルに、つい笑ってしまう。

あたしもヒカルのように、自分にも他人にも心から素直になれたなら…。

こんな出どころ不明な痛みを感じることも、なかったんだろうか。

< 76 / 790 >

この作品をシェア

pagetop