告白 1&2‐synchronize love‐
恭次くんに「また遊びに来る」って約束して、あたしは深田さんの家を後にした。
先に出てた矢沢エイジが、門の前に懐かしい原チャを停めて待っていて。
あたしにあの白い半ヘルを手渡してくる。
「美緒ちゃんのあの赤はさ、家に置いてきちゃったから」
そう言って、自分はゴーグルだけしてシートにまたがる。
あたしはまだ、深田恭一が誰かってことも忘れていた頃を思い出した。
これが、きっと最後。
本当の本当に。
「……ねえ」
「うん?」
「動物園」
矢沢エイジは首を傾げてあたしを見る。
「動物園に行きたい」
連れて行けって勢いで言って、あたしは白い半ヘルを被った。
そして以前のように、猫背の後ろにまたがって、広い背中に寄り添って座る。
運転手はしばらく黙ってたけど、前触れなくエンジンをかけて元気良く叫んだ。
「よっし! しっかり掴まっててよ、美緒ちゃ~ん!」
そして原チャは風を切り、走り出した。
時間を少しさかのぼりながら。
向かう先は、すべての始まりの場所。
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