告白 1&2‐synchronize love‐
――
―――――
夕方からチケットを買って入る客はあたしたちくらいで。
他の客は、皆ぞろぞろ帰り始めていた。
夜間営業してるっていっても、やっぱり冷えてきたし。
客もまばらになっていく園内を、あたしたちは手を繋いで歩いた。
途中であったかい缶コーヒーを買って、ささやかな暖をとりながら。
交わす言葉なんかほとんどなくて。
ただ繋いだ手だけで互いの存在を確かめ合って、静かに園内を回った。
前に来た時とはえらい違い。
でも、それで良かった。
楽しみにここに来たわけじゃないから。
あたしの足は、自然と象の柵の前で止まった。
別に象が見たかったわけじゃなくて、自分でもよくわからなかったけど。
「キョンキョンが言ってたよ」
二人で柵に寄りかかっていたら、隣りの男が口を開いた。
「ここでちっちゃい美緒ちゃんと初めて会ったんだって」
「ここで?」
「そう。ここで」
言われても、その時のことを思い出すことは出来なかったけれど。
その時の様子はなんとなく、想像することができた。
―――――
夕方からチケットを買って入る客はあたしたちくらいで。
他の客は、皆ぞろぞろ帰り始めていた。
夜間営業してるっていっても、やっぱり冷えてきたし。
客もまばらになっていく園内を、あたしたちは手を繋いで歩いた。
途中であったかい缶コーヒーを買って、ささやかな暖をとりながら。
交わす言葉なんかほとんどなくて。
ただ繋いだ手だけで互いの存在を確かめ合って、静かに園内を回った。
前に来た時とはえらい違い。
でも、それで良かった。
楽しみにここに来たわけじゃないから。
あたしの足は、自然と象の柵の前で止まった。
別に象が見たかったわけじゃなくて、自分でもよくわからなかったけど。
「キョンキョンが言ってたよ」
二人で柵に寄りかかっていたら、隣りの男が口を開いた。
「ここでちっちゃい美緒ちゃんと初めて会ったんだって」
「ここで?」
「そう。ここで」
言われても、その時のことを思い出すことは出来なかったけれど。
その時の様子はなんとなく、想像することができた。