告白 1&2‐synchronize love‐
「ねぇ。聞いてもいい?」
「うん。なに?」
「……恭兄ちゃんはさ、最後に何か言ってた?」
どんな風に彼が亡くなっていったのか。
後悔とか、やり残したこととか、なかったんだろうか。
そんなあたしの不安を拭い去るみたいに、横の男はへらっと笑う。
「なにも」
「なにもって…?」
「美緒ちゃんのこと以外は何もだよ。おばさんのことは、結婚してくれてて良かったって言ってたかなぁ」
そんなこと、あるんだろうか。
あたしに気を使って言わないでいるわけじゃないのかな。
だって、まだ二十歳で死ぬなんて言われたら、きっと誰にでもやりたいことがまだまだあって、死にたくないって思うのが普通じゃないの?
「本当だよ。…ただね、アイツはずっと歌えなくなるまで歌ってたよ」
自分が作った曲を。
囁くように、病室で繰り返し歌ってたんだって。
チキチータを。
黙って聴いていることしか出来なかったって、横の男は力なく言った。