告白 1&2‐synchronize love‐
そう言ったけど、隣りでブランコをこぐ男は無反応。
きっと恭兄ちゃん以上のヴォーカルなんていないとか、そんなことを考えてるんだろう。
「…忘れろって言ってるんじゃないよ。ただ、立ち止まってほしくないと思うから」
パパノエルが立ち止まって、前に進めなくなって、先がなくなってしまうことなんて、
あたしが恭兄ちゃんなら絶対に望まない。
どうせなら、これでもかってくらい輝く姿を見たいと思うはずだよ。
「夢だったんでしょ?」
「美緒ちゃん……」
「恭兄ちゃんだって、同じ夢を見てたんじゃないの? それなら叶えるのは残ったアンタたちの仕事でしょ」
もう恭兄ちゃんは、歌うことが出来ないんだから。
悲しかろうがなんだろうが、突き進むのが男だろ。
そう発破をかけたら、横で男が泣きそうな顔でへらっと笑った。
「ほんと、美緒ちゃんには敵わないや…」
言いながら、ブランコを降りて立ち上がるから、あたしも遅れて立ちあがった。
向かい合って、見詰め合う。
日が、落ちていく。