告白 1&2‐synchronize love‐

あたしは相変わらずコンビニのアルバイトを続けている。

もちろんヒカルも一緒。


「バイトん時よりは早く帰ってくるよ」


今日は大事な用事があるんだ。

とても、大事な。


「……なんだ。俺の顔に何かついてるか?」


あたしがじっと見つめてると、しかめっ面を少しゆるませて、お父さんがあたしを見返す。


「ううん、何でもない。いただきまーす」


あたしは笑顔でごまかして、箸を持った。

やっぱり似てるな。

夢に出てきたあの人に。

あたしはすべてを知ったけれど、お父さんには何も話してない。

恭兄ちゃんは留学したってことにしたまま。

これから先も、本当のことを話すつもりはないんだ。

お父さんの中では、恭兄ちゃんには元気に生きててほしいから。

だから矢沢エイジがあたしにしたように、あたしもお父さんに嘘をつき続ける。

それは悪い嘘じゃない。

誰かを想ってつく嘘は、『白い嘘』っていうんだって。






三上くんが教えてくれたんだ。




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