告白 1&2‐synchronize love‐




五月の昼休みの屋上は、最高に気持ちが良い。

でもここはいつも、あたしと三上くんの貸し切り。

ベンチがないのと、広い中庭の方が人気が高いのが理由だ。


「お兄さんどう? リハビリ行ってる?」


フェンスに寄りかかりながら、三上くんと横に並んでお弁当を広げる。

三上くんは眼鏡を外して笑った。


「兄さんがリハビリなんて大人しく受けるワケないよ。そんなタラタラやってられるかって、むちゃな運動してるよ」


お兄さんが退院したのは先週のこと。

ほんとはまだ入院してなきゃいけなかったのに、わがまま言って強引に退院したんだって。


「そっか。元気そうだね」

「余計なくらいにね」


目を離したすきにすぐバイクに乗ろうとするんだって、三上くんはあきれたように言う。

そのお兄さんの姿が想像できておかしかった。


「でもわかるな。バイクって気持ちいいもんね。あたしも免許取ろうかな」

「いいね。…でもそれじゃあ、酒井さんを後ろに乗せる機会がなくなっちゃうな」

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