告白 1&2‐synchronize love‐
まさかあのハルカさんにお礼を言われるなんて。
ちょっと感動してたら、ハルカさんは小さなため息をつく。
「ま。本気になったらなったで、今度は妥協しなくなったから見つからないんだけどね」
「でも……良かったです。立ち止まってるワケじゃないんだから」
「どこが? 立ち止まってんのと一緒だよ」
メンバーは揃わない、ライブはできない。
デビューが出来なければ、意味がないんだ。
厳しい声でハルカさんが言う。
「それが夢だったんだから」
「…え?」
「俺たちと、恭一の」
ブルーグレイの瞳が、あたしを射抜くように見る。
目を反らせなくて、あたしは黙って見つめ返す。
しばらくそうしていた後、開かれたハルカさんの口から予想もしない言葉が飛び出した。
「キミさ、やりなよ」
「………は?」
「ウチのヴォーカル」
「………はァっ!?」
何言ってるんだこの人。
変わった人だとは思ってたけど、さらにおかしくなってる。